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CHAPTER 2たんぱく質の基本の「き」

ゆで卵なら7.7個分!? 1日のたんぱく質推奨量

大人の女性の1日の「推奨量」は50g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準 (2015年版)」では、1日のたんぱく質摂取量として、成人の男性で60g、女性で50gを推奨しています。しかし、これは十分な量というより、摂取不足を回避できるというレベルの量です。
それでも成人女性のたんぱく質推奨量50gを食品にしてみると、ゆで卵で7.7個、納豆で10パック、ウインナーなら25本分にもなります。女性が簡単に食べきるのが難しい量です。
また、最近の研究で、1回の食事で摂るたんぱく質が約20〜35gのときに、筋肉合成反応が最大になることが示唆されました1食につき20gとなると、クリアするのはさらに難しくなります。例えば、トマトジュースとコンビニおにぎり1個で、朝食を手早く済ませてしまったら、たんぱく質摂取量はたったの4.9g。20gにするには、15.1g不足しているのです。

※Ishikawa TK et al 2018 Geriatr Gerontol Int.

成人女性の推奨量50g/日のたんぱく質を食品でみてみると・・・
成人女性の推奨量50g日のたんぱく質を食品でみてみると・・・

「ベターホームの食品成分表(5訂)」財団法人ベターホーム協会編、ベターホーム出版局サラダチキンはセブンイレブン「サラダチキンプレーン」より

朝食のたんぱく質不足が心配!1食のたんぱく質量を 20gにするなら・・・
朝食のたんぱく質不足が心配!1食のたんぱく質量を 20gにするなら・・・

「たんぱく質データBOOK」藤田聡監修、朝日新聞出版

推奨量よりさらに多い!50代女性の摂取目標量

「目標量」は推奨量の1.2~2倍近くに!

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、「生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量」として、たんぱく質の摂取目標量も設定しています。
目標量は総摂取エネルギーの13~20%。身体活動レベルが普通の50代女性なら、61.8~95gと、推奨量の1.2~2倍近くにもなります。
目標量95gの場合は、ゆで卵なら約15個、納豆なら19パック分に相当します。たんぱく質を十分に摂取するのは、思っている以上に大変なことのようです。

目標量95gは、納豆19パック分に相当

「ベターホームの食品成分表(5訂)」財団法人ベターホーム協会編、
ベターホーム出版局

成人女性のたんぱく質の摂取目標量
18歳以上の女性のたんぱく質の食事摂取基準推奨量50g
年齢 身体活動レベル※1 低い 普通 高い
たんぱく質摂取目標量(%)※2 13%〜20% 13%〜20% 13%〜20%
18〜29歳 エネルギー必要量※3 1,650(Kcal/日) 1,950(Kcal/日) 2,200(Kcal/日)
たんぱく質摂取目標量※4 53.6〜82.5(g) 63.4〜97.5(g) 71.5〜110.0(g)
30〜49歳 エネルギー必要量 1,750(Kcal/日) 2,000(Kcal/日) 2,300(Kcal/日)
たんぱく質摂取目標量 56.9〜87.5(g) 65.0〜100.0(g) 74.8〜115.0(g)
50〜69歳 エネルギー必要量 1,650(Kcal/日) 1,900(Kcal/日) 2,200(Kcal/日)
たんぱく質摂取目標量 53.6〜82.5(g) 61.8〜95.0(g) 71.5〜110.0(g)
70歳以上 エネルギー必要量 1,500(Kcal/日) 1,750(Kcal/日) 2,000(Kcal/日)
たんぱく質摂取目標量 48.8〜75.0(g) 56.9〜87.5(g) 65.0〜100.0(g)

身体活動レベル:低い「生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合」、普通「座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合」、高い「移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合」

たんぱく質摂取目標量(%):たんぱく質の総エネルギーに占める割合

エネルギー必要量(Kcal/日):推定エネルギー必要量

たんぱく質摂取目標量(g):たんぱく質摂取目標量(%)をgに換算

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」厚生労働省

たんぱく質目標量の下限引き上げ! 13~20% → 14~20%へ

2020年春、5年ぶりに改定される厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020版)」で、50歳以上の“たんぱく質の目標量”の下限が引き上げられることが決定しました。
これまでは全世代のたんぱく質の摂取目標量は、エネルギー量(炭水化物、たんぱく質、脂質)の13~20%とされていましたが、2020年版では、50~64歳は14~20%、65歳以上は15~20%と下限が引き上げられることになりました。
要介護になる手前の虚弱状態・フレイルに、たんぱく質不足が強く影響すると考えられるためです。実際に、65歳以上の日本人女性2,108人が対象の研究で、1日のたんぱく質摂取量が70g以上の場合、63g未満の人と比較して、フレイル率が最大4割減少したと発表されています。たんぱく質の重要度と注目度は高まるばかりです。

※Kobayashi S et al.(2013).Nutr J.