年齢を重ねることへの不安や「もう若くない」という思い込みから、自分の可能性をせばめてしまっていませんか。
自身の年齢を否定的に捉えて行動に自ら制限をかけてしまう「セルフエイジズム」は、人生100年時代といわれる現代において重大な社会課題となっています。
本記事では、調査から明らかになったセルフエイジズムに陥る要因や、それが引き起こす具体的な問題を解説し、それを乗り越えるための新しいケア方法として「心に【スナックのママ】をもつ(心にママを)」という考え方を提案します。
「心にママを」がセルフエイジズムの解消にどのようにつながるのか、年齢に縛られず、自分らしく生きるために日常生活の中で実践できる方法をX(旧Twitter)フォロワー39万人超で著書が多数ヒットしている精神科医のTomy先生のアドバイスを交えてご紹介します。

セルフエイジズムとは

当社がおこなった全国セルフエイジズム調査※1からセルフエイジズムに陥る主な原因として最も多いのが「身体の衰えや健康問題」(42.3%)で、次いで「他人との比較」(38.4%)、「老いへの不安」(37.8%)が挙げられました。また、セルフエイジズムを自覚し始める年齢として最も多かったのは40代でした。一般的に、加齢による身体の変化は主に40代ごろから始まるといわれており、健康面での不調を感じる機会が増えることから、「もう若くない」「無理がきかなくなった」といった意識が芽生えやすくなり、その結果、セルフエイジズムに陥りやすくなると考えられます。 ※1 30歳~69歳 男女 全国1000名 2025年2月実施 WEBによる自社調査 

N=730 有効回答数1000名のうちセルフエイジズムを経験したことのある730名の回答
N=730 有効回答数1000名のうちセルフエイジズムを経験したことのある730名の回答

セルフエイジズムが引き起こす深刻な問題

当社調査※1からセルフエイジズムに陥ると、さまざまな活動意欲が低下することもわかっています。 具体的には、欲しいものを購入したり、体験したいサービスを利用するといった「消費意欲」、働きがいをもって仕事をしたり、自身の希望の仕事に挑戦する「労働意欲」、人とコミュニケーションをとったり、交流の場に出向くといった「社会活動意欲」が低下することが明らかになりました。このように、セルフエイジズムは日常生活のさまざまな側面に影響を及ぼし、行動の幅を狭めてしまう可能性があると考えられます。

「心にママをもつ」とは?

セルフエイジズムが引き起こす悪循環を断ち切るためのケア方法として当社は「心に【スナックのママ】をもつ」ライフハックを提案します。当社が考える【スナックのママ】とは、多くの人生経験や知識を持ち、訪れる人々の悩みに寄り添い、時にはユーモアを交えながら励ましてくれる存在です。さまざまな悩みを否定せずに受け止め、温かい言葉やちょっとしたアドバイスで気持ちを軽くしてくれる【スナックのママ】のような存在を 自分の心の中にもつことで、ネガティブな思考を前向きに変えるきっかけとなると考えます。

専門家に聞いた!
「心にママを」の心理的影響とは?

今回、「心にママを」に賛同いただいた精神科医のTomy先生に心に【スナックのママ】をもつことが人々の心理や行動にどのような影響をもたらしてくれる可能性があるのか伺いました。

精神科医 Tomy先生

1978年生まれ。東海中学・東海高校を経て、名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局する。39万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に始まる「1秒シリーズ」は、36万部突破のベストセラーとなった。『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の小説シリーズも反響を呼ぶ。『精神科医Tomyの気にしない力』(だいわ文庫)、『精神科医Tomyが教える30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)ほか著書多数。

「セルフエイジズムを解消するためには 『他人軸から自分軸へ切り替えること』 が重要です。他人軸の人 は、『年齢にふさわしい振る舞いをしなければならない』『若く見られたい』といった、他人の評価を気にしすぎる傾向があります。一方、自分軸の人 は、『自分がどう感じるか』『自分がどう生きたいか』を大切にし、年齢にとらわれにくい傾向があります。他人からの評価を気にして加齢をネガティブにとらえやすい他人軸の人は、心の中に【スナックのママ】をもつことで、悩みを否定せずに受け止め、温かい言葉やちょっとしたアドバイスを自分自身にかけられるようになります。そうすることで、年齢に対するネガティブな思い込みが和らぎ、「どう見られるか」ではなく「自分がどうありたいか」に意識が向くようになります。その結果、他人の目を気にしすぎることなく、生き生きとさまざまなことに取り組めるようになるのです。」

精神科医 Tomy先生

日常生活で実践できる心のセルフケア方法

他人軸から自分軸へ意識を切り替えるために、日常生活の中で実践できる心のセルフケア方法について、Tomy先生が3つの方法を教えてくれました。

1. 「今の自分ができること」に目を向ける

年齢や体力の変化に合わせて、自分に合ったライフスタイルを考えることが大切です。過去の自分と比べて「できなくなったこと」に目を向けるのではなく、「今の自分にとって最も快適な環境や状況をどう作るか」という発想に切り替えてみましょう。 例えば、旅行の楽しみ方も変わります。若いころはガイドブックを片手に観光名所をすべて巡っていたかもしれませんが、ホテルでのんびり過ごし、リフレッシュする時間を大切にするのも一つの選択肢です。このように自分の体力に合わせた楽しみ方を見つけることで、無理なく充実した時間を過ごせるようになります。

2. 「他人と比較してしまうのは自然なこと」と受け入れ、深く考えすぎない

他人と比べたり、若かったころの自分が羨ましくなったりすることは、人間の自然な心理です。しかし、「比較しないようにしよう!」と強く意識しすぎると、逆に気になってしまうことがあります。 そこで大切なのは、「あ、今誰かと比べてしまっているな」と気づいたら、「それはさておき、今から買い物に行こう」と意識を切り替える習慣をつけることが効果的です。この「さておき」を繰り返すことでネガティブに深堀してしまう思考を中断し、比較すること自体を自然と意識しなくなっていきます。

3. 友人から自分と同じ悩みを相談されたらどう答えるかを考える

自分を客観視することは、思考の偏りを修正するのに役立ちます。もし友人が同じ悩みを相談してきたら、自分はどのようにアドバイスするか考えてみましょう。このように視点を変えることで感情に左右されずに冷静に状況を見つめ直したり、新たな解決策を見出したりすることができるでしょう。

まとめ:セルフエイジズムを乗り越え、自分らしく生きるために

自分の年齢を否定的にとらえ、「もう若くないから」と可能性をせばめてしまうセルフエイジズムは、誰しも陥る可能性があります。しかし、年齢を重ねることは、決してネガティブなことではありません。大切なのは、年齢にとらわれず自分らしく生きることです。セルフエイジズムから解放されより前向きな人生を歩むために、あなたの心の中に、温かく励ましてくれる【スナックのママ】をもってみませんか。

「大丈夫よ、気にしないで。あなたはあなたのままで素敵よ。」そんなふうに優しく背中を押してくれる存在が心の中にいれば、もっと自由に、自分らしく生きられるはずです。