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キューサイと山口県立大学が研究「ヒメマツタケ(アガリクス)抽出物に腫瘍増殖抑制効果があることを確認」

キューサイ株式会社(社長:長谷川 常雄、本社:福岡市)は、山口県立大学(森口覚 生活科学部栄養学科教授)と、緑黄色野菜ケールを培地にしたヒメマツタケ(アガリクス)抽出物の抗腫瘍作用を検討しました。腫瘍細胞を移植した実験動物を用いて検討した結果、腫瘍増殖抑制効果があることを確認したのでお知らせします。 この研究結果は、10月22日「第51回 日本栄養改善学会学術総会」(石川県金沢市)で、「マウス背部皮下移植サルコーマ180腫瘍の増殖に対するヒメマツタケ抽出液の影響」として発表しました。

研究の目的

弊社は、青汁の原料ケールを培地にヒメマツタケ(学名:アガリクス・ブラゼイ・ムリル)を培養し、ケールとヒメマツタケの菌糸体からなる培養混合物(以下、ヒメマツタケ培養物と略記)を開発しました。本研究ではマウスを用いて、ヒメマツタケ培養物の腫瘍増殖抑制に対する作用を検討しましたので報告します。このヒメマツタケ培養物の抽出液は「キューサイアガリクス」として今春から発売、当社独自の培養方法は製法特許(第3229285号)を取得しています。

研究の方法

実験動物(マウス)にがん細胞の一種(サルコーマ180腫瘍細胞)を移植し、ヒメマツタケ培養物の抽出液を20日間投与する群と、水を投与する群、抗がん剤を投与する群に分けて飼育。飼育期間中は週1回体重、摂食量および腫瘍体積を計測。21日目に腫瘍重量を計測し、同時に免疫能低下の目安となるCD4/CD8比(免疫低下の抑制力)を測定して免疫能と腫瘍増殖との関連について検討しました。

研究の結果

①腫瘍体積の変化で、腫瘍増殖抑制を確認
抽出液投与群において水投与群に比べ腫瘍体積が小さくなっており、抽出液投与により腫瘍の増殖が顕著に抑制されていることが認められました。また、抗がん剤を投与した群と比べても 近い値を示しています。(下図「グラフ① 腫瘍体積の変化」ご参照)

②CD4/CD8比で、免疫力低下を抑制することを確認
また免疫機能の指標であるCD4/CD8比は腫瘍移植に伴い低下するが、水投与群と比べて抽出液投与群では低下を軽減しており(次頁「グラフ②CD4/CD8比」ご参照)、免疫能低下を抑える働きが見られました。

以上のことより、ヒメマツタケ培養物抽出液の投与により、マウス皮下に移植した腫瘍細胞の増殖が抑制されることを見いだし、腫瘍移植に伴う免疫低下を軽減することがわかりました。

山口県立大学 森口 覚 教授のコメント

これまで抗腫瘍作用を有することが知られているヒメマツタケ(アガリクス)についてマウスのがん細胞(サルコーマ180腫瘍細胞)を用いて検討しました。その結果、抗がん剤投与とほぼ同等の腫瘍増殖抑制作用を認め、それが生体の免疫能と関連することを明らかにしたものであり、ヒメマツタケ(アガリクス)の抗腫瘍作用メカニズムを知る上で有用な証拠が得られたものと考えます。

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