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高崎健康福祉大学と学会発表 「青汁の原料ケールの抗肥満効果を確認」

キューサイ株式会社(社長:長谷川 常雄、本社:福岡市)は、高崎健康福祉大学(江口 文陽 健康福祉学部健康栄養学科教授)と、青汁の原料・緑黄色野菜ケールの抗肥満効果を検討しました。

モデル動物を用いて検討した結果、抗肥満効果作用の一つとして、ケール抽出物による脂質の吸収抑制(効能特許申請中)を確認しました。

この研究結果は、本日3月30日「日本農芸化学会 2005 年度大会」(札幌市・札幌コンベンションセンター)で、「ケールの抗肥満効果」として発表しました。

研究の目的

青汁の原料である緑黄色野菜ケール中の抗肥満症成分を探索するため、ケール抽出物のモデル動物への影響を調べました。被検試料には、ケール凍結乾燥粉末(以下、ケールFD)の水抽出物とその残渣をエタノール抽出した物(以下、エタノール抽出物)を使用。

研究の方法

肥満モデルラット(雄、7週齢)の投与群に、抽出物をケールFD換算で1日0.23g/kg(ヒト体重に換算すると14g/60kg)の用量で経口投与、非投与群には水を投与。また正常モデルラット(雄、7週齢)も使用、水を経口投与しました。10週間にわたりそれぞれ投与、週1回体重を測定、最終日に採血し生化学的検査を行いました。

研究の結果

①ケール抽出物投与で体重増加を顕著に抑制
グラフ①のとおり、17週齢の測定値において、投与開始時と比較して「非投与群」の肥満ラットは425g増、ケールFD「水抽出物」投与肥満ラットは318g増、ケールFD「エタノール抽出物」投与肥満ラットは297g増。抽出液投与群は非投与群と比べ体重の増加が顕著に抑制され、正常ラットに近づきました。

 

②中性脂肪は顕著に減少
グラフ②のとおり、17週齢の測定値において、抽出物投与群の中性脂肪は顕著に減少し、正常ラットに近づきました。

 

③投与群の糞便中の脂質が増加
グラフ③のとおり、17週齢の測定値において、抽出物投与群の糞便中脂質が顕著に増加しました。

研究のまとめ

各ケール抽出物を肥満モデルラットに投与することで、体重が正常ラットに近づき、脂質関連の数値が改善されました。また、糞便中の脂質の増加がみられてことから、緑黄色野菜ケールの抗肥満効果作用の一つとして脂質の吸収抑制が考えられます。

高崎健康福祉大学 江口 文陽 教授のコメント

本研究により、青汁の原材料であるケール抽出物には、抗肥満・抗高脂血症に対する予防と治療効果があることが示唆された。健康食品の効果などは、ヒト飲用による体験談などから評価されることが多いが、本研究では、ヒトの食体験によって観察された成績を実験科学的に「ヒトの肥満や高脂血症と類似したモデル動物」を使用して評価したものである。このことから、ケール抽出物の効果は、プラセボ(偽薬)効果ではなく真の機能作用として結論付けられる。このケール抽出物に関しては、安全性に関する試験、成分の安定性に関する試験も実施し、安全・安心そして安定面から優れた製品であることが総合的に確認された。

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