ココロもカラダも元気な100歳以上の方の声をお届けする「元気な100歳インタビュー」。今回は長野県にお住まい竹花輝子さん(101歳)を訪ね、「今が一番幸せ」と語る輝子さんのいきいきとした長寿の秘訣をお聞きしました。
*ご年齢は取材時のものです
100あるスタッフ 輝子さんは古くから農家を営むお家の13代目の奥様だそうですね。
輝子さん はい。生まれは東京なんですよ。結婚も東京。戦争中、空襲で家が被害を受けて、着の身着のままで夫の実家がある長野に戻ってきました。まったく農家になる予定はなかったんですけどね(笑)。
100あるスタッフ ご苦労されたんですね。
輝子さん そうですね。でも、ご近所の方が助けてくださって、一から農業を始めることができました。お米、ねぎ、玉ねぎ、じゃがいも、きゅうり、なす。いろいろなものを育てましたよ。おみそやしょうゆも手作り。しょうゆは一升瓶100本くらいを毎年つくったかしら。
100あるスタッフ すごい!まさに自給自足ですね。
輝子さん 今は息子夫婦と3人暮らしで、孫が隣に家を建てて住んでいます。子供は女、男、女の3人。孫は6人、ひ孫は11人いますよ。
100あるスタッフ お幸せに過ごされているんですね。普段は何をされているんですか?
輝子さん 週2回、デイサービスに通っています。行くと「輝ちゃん、輝ちゃん」と、皆さん、声をかけてくれます。脳トレでぬり絵をしたり、言葉遊びをしたりして、本当に楽しいんですよ。
あと短歌をつくるのが好きで、何人かと一緒に短歌集の本を出しました。温かい日は、庭で散歩して花をみたり、景色をみたり。外で椅子に座って、庭や畑の草むしりをしています。草が一番の友だちのようですね。
輝子さん ごはんは3食全部、家族3人で食べます。食べるものは息子夫婦と同じものを食べているんですよ。家で収穫した新鮮な野菜が好物です。やわらかくしたりしていません。少し量は減らしてもらっていますけどね(笑)。硬いものが大好きでピーナッツやおせんべいを食べています。45年くらい前に入れ歯をつくってもらって、それ以来、歯の調子は上々。「カリカリ運動」というのを欠かさずやっています。
100あるスタッフ カリカリ運動って何ですか?
輝子さん 食後にたくあんや漬物などカリカリしたものを食べることです。歯をキレイにしてくれるそうですよ。うちはお嫁さんが本当にお料理上手でなんでもおいしいんです。世間では嫁姑が仲悪いとかよく聞きますが、我が家は全然そんなことなくて、本当によくしてもらっています。ありがたいことです。
100あるスタッフ うわあ、うらやましいようなお話ですね。こんなに幸せな100歳になるために、今、70歳の方に向けてアドバイスするとしたらどんな事でしょうか?
輝子さん 人の悪口を言わない事、くよくよしない事ですね。
昔から気に入っている言葉があるんです。
「天に星、地に花、人に愛」。
短歌の先生から教えてもらいました。意味は「この世で最も美しいものは、天においては星、地においては花、人においては愛である」。
この言葉のように、星や花を愛でて、世界中の人を大事にして、何でも打ち明けられる人が近くにいてくれるようにと、自書の額もつくりました。周りの皆さんに本当によくしてもらっていますからね。昔の苦労なんか忘れちゃう。今がいちばん幸せ。一生苦労するなんてことはないですよ」。
100あるスタッフ 100歳を越えて今が一番幸せって、素晴らしいですね。なんだか生きる勇気が湧いてきます。素敵なお話をありがとうございした!
<ご家族からひと言>
食事を運んだ時、外出した時、お風呂の時。どんな時にも欠かさず「ありがとう」と感謝の気持ちを言葉にして伝えてくれる母です。これからも心安らかに楽しい毎日を過ごして、長生きしてもらいたいですね。
<編集後記>
一日一日を丁寧に過ごし、まわりの人々への感謝を忘れない輝子さん。お話がとてもお上手でついつい聞き入ってしまいました。そのお人柄の魅力に惹きつけられて、デイサービスの人々や短歌のお友達など、自然と人が集まってくる様子が目に浮かびます。これからもずっとお元気で、周りの方々を幸せな気持ちにしてください。