ココロもカラダも元気な100歳以上の方の声をお届けする「元気な100歳インタビュー」。今回は奈良県にお住まいの森敏雄さん(100歳)を訪ね、100歳を超えた今も一人でショッピングなどに出かけるという敏雄さんの長寿の秘訣をお聞きしました。
*ご年齢は取材時のものです
100あるスタッフ 敏雄さんは、今もお一人で外出されるんですって?
敏雄さん はい。月に一度は散髪に行くし、デパートに買い物に行ったり、行きつけのお店に飲みに行ったり、月に5、6回は外出しますね。
100あるスタッフ それはすごいですね。どうやって行かれるんですか?
敏雄さん 携帯にタクシー会社の番号が登録されているから、そこに電話して名前を言うだけで、迎えに来てくれるんですよ。数年前までは近鉄電車に乗って行っていたけど、今はタクシーで出かけますね。
100あるスタッフ 外出先ではどのようなことをされているんですか?
敏雄さん 仏壇の管理を自分でしているから、必要なものを買ったり、あとはデパートの中にある和食処で食事とお酒をいただいたりしています。
100あるスタッフ 和食処ではどのような食事をされるんですか?
敏雄さん 私ね、50代のときに皮膚ガンを患って右足を切断したんです。義足なので負担をかけまいと、体重は50kgを超えないよう食事制限をしてきました。だから、基本的にお米を食べません。でも、外食のときは時々、お寿司をいただくことはあります。俗に言う「腹八分目医者いらず」を実践していまして、40年以上病気知らず。医療保険を使ったことがないんですよ。
100あるスタッフ 40年以上もですか!?それは凄い! 敏雄さんは、お酒も飲まれるんですよね。
敏雄さん はい。焼酎が好きですね。毎日飲んで身体をアルコール消毒しているから、病気も逃げていくんじゃないですかね(笑)?
100あるスタッフ なるほど(笑)。でも、飲みすぎにはくれぐれもご注意されてくださいね。
100あるスタッフ 敏雄さんは長年、地域のためにいろんなお仕事をされてこられたんですよね。
敏雄さん はい。近畿財務局を定年退職した後は、地元の信用金庫に監査役として5、6年勤めました。老人会の県労連会長職を10年以上務めましたし、土地改良区の理事長、自治会長、檀家総代など、80歳を超えるまで、さまざまな仕事をさせてもらいました。
100あるスタッフ 素晴らしいですね。
敏雄さん 好きなことを好きなようにしているだけですよ。うちは、長寿の家系なんですよ。母は103歳、姉は106歳まで生きました。一つ心残りなのは、母の晩年に好きだった裁縫を取り上げてしまったこと。細かい作業ですし、よかれと思って「もう辞めたほうがいい」と言ったのですが、好きなことを取り上げてしまったら元気もなくなってしまって。やっぱり、好きなことを好きなように続けることが長生きの秘訣だと思いますね。
100あるスタッフ なるほど。ところで、その扇子は?
敏雄さん 俳句を100句詠んで、その句を一つひとつ手書きで扇子に書いたものを、白寿のお祝いのときに来てくださった方にプレゼントしたんです。そのうちの一つがこれですね。
100あるスタッフ わぁ、素敵です。俳句を詠まれるんですね。ほかにご趣味は?
敏雄さん 歴史のことを調べるのも好きですし、本もよく読みます。
100あるスタッフ さすが、歴史のある奈良にお住まいのことだけはありますね。これからも、「腹八分、医者いらず」で、お元気に過ごされてください。
<ご家族からひと言>
100歳を超えても手助けが一切いらないことは、とてもありがたいことです。ここまで大病をしてこなかったですし、これからも大丈夫そうですね。今まで通り、1日1日を大切にしながら、好きなように生きてください。
<編集後記>
携帯電話でタクシーを呼んで、一人で外出されるというアクティブな敏雄さん。お一人で外出される以外にも、地域の集まりなども積極的に参加されているそうです。白寿のお祝いのときには「大還暦(120歳)まで長生きする!」と宣言されたとか。そのときはまた取材に伺わせていただきたいです。