運動器の中でも“歩く”という動作に欠かせない「ひざ」に注目。エイジングに伴うひざの変化を知って、早めのケアを始め、いつまでも自分の足で元気に歩ける状態を目指しましょう。

年齢を重ねると誰でも“ひざ軟骨”がすり減ってくる

スムーズに歩けなくなる要因のひとつは、加齢による筋力の衰えとともに、ひざの軟骨がすり減ることと言われています。グラフのように、20代に対して50代では約82%までひざの軟骨がすり減ってしまいます。

ひざ軟骨の厚さのグラフ

<年代別のひざ関節傾向>

●20代〜30代
ひざ軟骨のすり減りに関して、ほぼ症状はありません。

●40代
ひざ軟骨のすり減りは始まりますが、体感はほぼなく悩みもありません。

●50代
ひざ軟骨のすり減りが進行し、ひざ関節の曲げ伸ばしができる角度も小さくなり始めます。しかし、その体感は階段の上り下りや立ち上がる時などに違和感がある程度です。

●60代
ひざ関節の曲げ伸ばしができる角度が小さくなることで、可動域が狭くなります。ひざ軟骨のすり減りが進行し、人によってはそれが原因となり炎症を起こすことも。

●70代
ひざ軟骨のすり減りやひざ関節の曲げ伸ばしができる角度が小さくなり、ひざを使った動き、特に階段の上り下りや正座といった日常生活で痛みを感じるようになります。

健やかなひざをキープする生活習慣

では、いつまでも健康的なひざを維持するには、どうしたらいいのでしょうか? 普段から意識したい生活習慣を紹介します。

“正しく”歩く(姿勢・筋力・靴選び)

チェックするポイントは3つ。
自分の歩き方と図のポイントを比較して、歩き方のクセを見直して、正しい歩き方を心がけてみてください。

どんな歩き方がいいのかポイント❶歩く姿勢、❷筋力、❸靴選びが記載されているイラスト

1.歩く姿勢
正しい姿勢で歩くことができれば疲れにくく、無理なく歩けるようになります。図を参考にして「歩く」姿勢を意識しましょう。

2.筋力
歩く姿勢を正すことで筋力の衰えを防ぎ、ひざへの負担軽減に繋がります。 全身の筋肉を意識して歩いてみましょう。

3.靴選び
合わない靴はひざや腰を痛める原因に。サイズだけでなく幅にも注目して選びましょう。

コラーゲンを意識した食事

コラーゲンはひざ関節を構成する重要な成分のため、健やかなひざを保つために日頃から意識して摂取しておきたい栄養素です。

特に動物性食材からはコラーゲンを効率的に摂取できます。中でも牛すじや鶏の手羽元、豚足、うなぎの蒲焼きや魚の皮のように、コラーゲンが特に豊富な食材を選んで食べると良いでしょう。

ただ、食べ物から十分な量のコラーゲンを摂取しようとすると、脂質を過剰に摂ってしまう可能性があります。例えば、100gあたり約5,000mgのコラーゲンを含む牛すじには脂質が4.9g、約5,530mgのコラーゲンを含むうなぎの蒲焼きには脂質が21gも含まれているので要注意です。

コラーゲンが多く含まれる食材一覧

いつまでも健康的に歩くことが、ウェルエイジングへ繋がる

いつまでも健やかなひざを保つための正しい歩き方や食事法を実践することで、カラダが健やかに保たれ、ココロも満たされることに繋がります。

“正しく”歩くとカラダにいいことがたくさん

これまで習慣になっている歩き方を変えるのは、面倒くさい。そんなふうに思う気持ちもわかります。でも正しく歩くと、カラダにたくさんの良い変化が生まれます。

体にいい理由①
歩くことで、肥満の予防や解消のほか、血流が良くなって代謝が向上し、生活習慣病の予防につながります。

体にいい理由②
筋力がつき、正しい姿勢を維持できれば、普段の生活での転倒防止、また腰痛やひざの痛みの軽減も期待できます。

体にいい理由③
歩くための筋力が鍛えられると疲れにくくなり、さらによく歩くように……といった好循環が生まれます。

朝のルーティンで、ココロが前向きになる運動習慣を

正しい姿勢を身に付けたら、歩くことが気持ちよくなるはずです。いつまでも前向きに過ごすために、ウォーキングを朝のルーティンにしてみませんか?

朝に運動の習慣ができることで、日光を浴びて体内リズムが整う、脳の血流がアップすることで仕事や家事の効率が上がるなど、ココロにもいいことがたくさん。

運動といってもハードなことをする必要はありません。玄関から一歩外に出て、散歩やウォーキングをするだけ。

朝の忙しい時間帯でも、食事をしたり、スキンケア・メイクをしたりといつもの“ルーティン”になっていることであれば、負担にならずに続けられますよね。ウォーキングを朝のルーティンに取り入れて、カラダもココロも前向きな毎日を過ごしましょう。