外見の印象を左右する「肌のハリ」。加齢に伴う肌のたるみやシワが気になりませんか?
エイジングに伴う肌弾力の変化を知って早めのケアを始め、いつまでも出かけたくなる素肌を目指しましょう。

年齢とともに肌のハリは低下する? 肌のエイジングとは

ハリのある肌は、うるおいと弾力があり、たるみやシワ、ほうれい線、肌荒れなどが目立たない状態です。反対に、ハリがなくなると、肌のうるおいが感じられず、たるみやシワが目立ちやすくなるため、実年齢よりも老けた印象を与えてしまいます。

特に閉経が近づく40代後半頃からは、エストロゲンの分泌量が減ってしまいます。それに伴い、肌のコラーゲン量が少なくなり、ハリ不足の原因となると言われます。

皮膚弾力性の測定折れ線グラフ

上のグラフからも、年齢とともに皮膚弾力性が低下し、40代以降は著しく低下していくことがわかります。

<年代別の肌弾力傾向>

●20代
肌の水分量が少なく皮脂量が多い年代のため、肌の乾燥や毛穴のつまりや黒ずみが気になる。

●30代
皮脂量が減少し始める年代のため肌の水分を保持しにくくなり乾燥が気になり始める。また、シミも増加し始める年代のため人によっては気になり始める。

●40代
肌のターンオーバーの速度が落ちシミが増える年代。皮脂量が20代の約半分まで減少し乾燥も気になる。

●50代
シミの面積も拡大し、シミが気になる。また、コラーゲンの減少とともに肌弾力も減少するため肌のたるみも気になり始める。

●60代・70代
コラーゲンの減少に伴う肌弾力の減少や乾燥の為、たるみやシワの悩みが大きくなる。人によっては60代後半より乾燥によるかゆみが悩みとなる。

上記の調査結果から、20代~40代は肌弾力の低下が進んでおらず、悩みを感じにくいと考えられます。

元気な肌の「養い方」3選

元気でイキイキした印象を作るには、肌自体にハリがあり元気であることが大切だと言われています。

カラダの内外からケアをする、元気な肌の「養い方」をご紹介します。

①スキンケアで優しく整える

まずはスキンケアです。単に高級なアイテムを使うのではなく、正しい方法でスキンケアをすることで、肌はうるおいを保ち、ハリを感じられます。

例えば、化粧水は適量を手にとって、手のひらで温めてから塗る、一度ではなく、肌がうるおうまで何度か重ねて塗るなど、肌をやさしく労わるお手入れを意識しましょう。

また、肌のハリには、コラーゲン・ナイアシンアミド・レチノール・ビタミンC誘導体などが含まれるスキンケアアイテムを選ぶことで、より効果的にお手入れができます。

②肌の弾力に大切な栄養素を意識した食事・食べ物

肌を“養う”だけでなく、顔のむくみ予防にも役立つ栄養素があることをご存じですか?

・肌そのものの源となる「たんぱく質」
・肌を整える「カルシウム」
・肌老化を防ぐ「ビタミンA、C、E」
・肌と関係性の深い腸を整える「食物繊維」

それぞれ詳しく説明します。


肌そのものの源となるたんぱく質

肌の約40%がコラーゲンというたんぱく質でできています。肌に栄養を届ける血液や血流を促す筋肉もたんぱく質が主成分です。動物性と植物性のたんぱく質両方を摂取するのがおすすめです。

おすすめ食材:肉、魚、大豆など


肌を整えるカルシウム

健やかな肌細胞をつくる働きがあるほか、骨量を維持することで顔やせを防ぐ効果も。動物性食品からだけでなく野菜からもカルシウムは摂取できます。

おすすめ食材:乳製品、じゃこ、小松菜など


肌老化を防ぐビタミンA・C・E

老化を防ぐ抗酸化作用を持つビタミン。肌粘膜の保護やコラーゲン合成には欠かせません。にんじん、いちご、サーモンなどの食材に多く含まれる傾向があります。

おすすめ食材:赤い食材


肌と関係性の深い腸を整える食物繊維

腸の健やかさは、肌の健やかさに直結します。腸内環境を整える食物繊維を積極的に摂取しましょう。1食あたり両手のひらに山盛り1杯分の野菜*を目安に。
*生野菜換算

おすすめ食材:野菜、海藻


特に肌の弾力(ハリ)に関連するコラーゲン合成には、ビタミンA、C、Eとたんぱく質が重要です。

そんな大切な栄養がたっぷり含まれた「ケール」と「豚肉」を使った、寒い時季にぴったりのレシピをご紹介します。

湯気が出ている鍋料理

【栄養満点!寒い日に食べたいケールと豚肉の野菜巻き鍋】

美容に役立つ栄養素を豊富に含んだスーパーフード、ケールを使った野菜巻き鍋は、彩りも豊かで思わず笑顔がこぼれます。ぜひご自宅でもお試しください!

③笑顔の源、顔の筋力

年齢とともに目元の印象がぼやけたり、目元のシワが気になったりする原因の一つに、「眼輪筋」という目元の筋力の衰えが影響しています。

自分の眼輪筋を使えているか鏡の前でチェックしてみましょう。


目の周りの筋肉、使えてる? 眼輪筋チェック

目を見開いてみてください。

目元周りのイラスト

OK:目だけ大きくなる
NG:額にシワがよる

額にシワがよっている場合、目を開く動作に眼輪筋ではなく、額の筋肉が使われています。このクセが額のシワを増やす要因になることも。


衰えが気になる人でも大丈夫。顔ヨガ認定講師の石川ななこさん監修の「顔ヨガ」で衰えた眼輪筋を鍛えることができます。顔ヨガを習慣化してイキイキとした目元を!

「おでこロック」と「目ワイパー」の顔ヨガ3ステップ

いきいきとした素肌が、ウェルエイジングへ繋がる

いきいきとした素肌は、肌のくすみやたるみのない、健康的な状態です。そのような素肌は、単に見た目の印象を良くするだけでなく、ウェルエイジングにもつながります。

表面的ではなく、内側から健やかな肌は見た目印象アップのポイント

スキンケアだけでなく、食事や筋力の面からセルフケアをした肌は、とても健康的に見えて、若々しい印象を与えます。

素肌の調子がいいとメイクが楽しく、人と会いたくなる

素肌の調子がいいと、化粧ノリが良くなり、化粧品をたくさん使わずとも素肌に近い状態で十分にきれいに見えます。

肌に自信が持てると、お出かけも楽しくなりますよね。アクティブに外出したり、人と会ったりすることはウェルエイジングにもつながります。肌から健康的な生活を目指してみてください!

【監修】

顔ヨガ認定講師:石川ななこ先生(笑顔の源、顔の筋力)

常温ヨガスタジオ「スタジオグリーン」代表。2017年から顔ヨガ認定講師の活動もスタート。各種講座・イベント・メディアで活躍中。

管理栄養士・国際中医薬膳師・国際中医師:清水加奈子先生(肌の弾力に大切な栄養素を意識した食事)

栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活動中。監修書に『太らない食べ方新装版』エイ出版社。