朝起きたときによく眠れた気がしない、カラダがすっきりしないなど、睡眠に悩みを抱えていませんか?もしかしたらその睡眠の質の低下は、自律神経の乱れからきているのかもしれません。自律神経の乱れを整えて、ココロとカラダをリフレッシュさせましょう。

年齢とともに自律神経は乱れやすい傾向に

自律神経は年齢とともに乱れやすくなると言われています。

下記のグラフは、交感神経および副交感神経の両TPの変化を年齢別にまとめたものです。加齢に伴い減少していることがわかります。

年齢による自律神経TP(自律神経活動全体の指標)の変化の折れ線グラフ

<年代別の自律神経傾向>

●20代
特に悩みはありません。

●30代
悩みとして大きくはありませんが、なんとなく眠れないといった不調を感じ始めているようです。また30代後半からはカラダの疲れも感じています。

●40代
カラダの疲れに加え、40代後半から眠れないといった悩みや頭痛、イライラといった症状が多くなっています。

●50代
頭痛やイライラといった症状に加え、息切れや動悸を感じ始めています。

●60代
60代後半からは息切れ、動悸、めまいなどの症状が多くなり、手足の冷えも感じ始めています。

●70代
めまい、動悸、息切れ、手足の冷えの症状をよく感じ、便秘といった不調も増えています。

このように年齢とともに自律神経が乱れやすくなるといわれています。以下のような睡眠のお悩みは、自律神経の乱れからくるものかもしれません。

  • なかなか寝つけない
  • ちょっとした物音や尿意ですぐ目が覚める
  • 眠りが浅い気がする
  • 疲れがとれていない

睡眠の悩みをテクニックで解決

ベッドに入ってもなかなか眠れない……という悩みには、いくつかの解決方法があります。これを機に生活習慣を見直してみませんか。

眠り上手になる入浴法

入浴をシャワーだけですませていませんか? 良い睡眠のヒントは、深部体温にあります。睡眠は体温の影響を大きく受けているので、眠り上手になる入浴法を身に付けましょう。

深部体温を調節するためにまず取り組みたいのが「湯船に浸かる」こと。そして、大切なのは「入浴のタイミング・温度・時間」。この3つに気をつけることで、驚くほどぐっすり眠れるようになります。

1. タイミング:寝床に入る1~1.5時間前に入浴する
夕方など、寝る時間のかなり前に入浴するのではなく、ベッドに入る1~1.5時間前に入浴するように心がけましょう。

2. 温度:38~40℃のぬるめのお湯に浸かる
温度の高い湯船に長時間浸かると、交感神経が高まり、リラックスできません。副交感神経を優位にするためにも、ぬるめのお湯に浸かることが大切です。入浴後、体温が徐々に下がり始めることで、眠気が自然と訪れます。熱めのお湯が好きな方は、就寝の2時間前までに入浴を済ませるようにしましょう。

湯船入浴ありとなしの差の波グラフと表面・深部体温のイラスト

3. 時間:15~20分間肩まで浸かる
ぬるめのお湯に肩まで浸かって全身浴をしてカラダの芯まで温めましょう。

寝る前の考え事をやめる

眠れない夜は誰にでもあるものです。「また眠れないかも……」という不安な気持ちがさらなる悪循環を招いてしまいます。

眠る前はあれこれ考えてしまいがちですが、ストレスになるようなことを思い出すのはやめましょう。考えごとを始めると余計に眠れなくなってしまいます。ストレス解消のためにも、ベッドに入ったらココロをからっぽにすることが大切です。

ベッドの中で「マインドフルネス瞑想」をしてみるのもおすすめ。「マインドフルネス瞑想」とは、呼吸をゆっくり行いながら、自律神経を整える呼吸法です。

鼻からゆっくり息を吐いて、鼻からゆっくり吸います。ポイントは「息を吐いているな~、息を吸っているな~」と意識を呼吸に集中させることです。鼻が詰まっている人は、口呼吸でもOK。自分の体調に合わせて、挑戦してみてください。

良質な睡眠を意識した食事

夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に変換されるたんぱく質を朝食に摂り入れることはおすすめ。また眠りの深さをサポートする力があるハーブやストレスを和らげる働きのあるGABAを上手に摂り入れられるよう意識してみましょう。

食材のイラストとハーブティのイラスト

ココロが元気になる食材を摂り入れる

ココロとたんぱく質には密接な関係があるため、食事に肉や魚介を取り入れて、十分な量のたんぱく質を摂取することが大事です。

私たちが幸せを感じたり、リラックスしたりするときに得られる幸福感は、実はカラダから分泌されるホルモンの影響を受けています。「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」「セロトニン」「ドーパミン」を分泌させるには、その材料となるたんぱく質が大切と言われています。

ココロとカラダを元気にするために、たんぱく質をしっかりと摂取して、バランスの良い食生活を心がけましょう。

ココロを元気にするたんぱく質を摂れる、雑穀を使ったレシピをご紹介します。

レシピ グリルチキンの雑穀トマト煮
鶏むね肉をサッと焼いて雑穀と煮込むだけ、栄養バランスの良いおかずです。

グリルチキンの雑穀トマト煮の2人分の材料

つくり方

1. 鶏むね肉に塩、こしょう、オリーブ油をかけ、魚焼きグリル(またはフライパン)で、10分ほど強火で焼き、両面に焼き目(焦げ目)をつけます。(中まで火が通らなくてOK)。粗熱がとれたら一口大に切り、玉ねぎは薄切りにします。

2. 鍋に、<A>、鶏むね肉、雑穀、玉ねぎを入れ、ふたをして弱火で20分ほど煮ます。器に盛り、粉チーズ、パセリをかければ完成です。


自律神経を整える習慣が、ウェルエイジングにも効果的

ぐっすり眠ってすっきり目覚めることは、カラダもココロも前向きに過ごすために大切です。まずは取り組みやすいことから始めてみましょう。自律神経をうまくコントロールして良い睡眠をとり、ウェルエイジングな一日のスタートを迎えてください。

【監修】

管理栄養士・国際中医薬膳師・国際中医師:清水加奈子先生(心が元気になる食事を摂り入れる)

栄養学・中医学・薬膳の専門知識を持つフードコーディネーターとして、多数のメディアでダイエットレシピの提案や監修で幅広く活動中。監修書に『太らない食べ方新装版』エイ出版社。