ヒザ関節痛のある人に対するコラーゲンペプチドを含む食品の効果について、キューサイと順天堂大学が共同研究を行いました。
コラーゲンペプチド含有食品(被験食品群)あるいは含有しない食品(プラセボ群)をヒザ関節痛のある人に16週間継続的に摂取してもらったところ、被験食品群において、ヒザの屈曲角度・痛み・炎症の状態が良くなっていることが確認できました。この結果から、コラーゲンペプチドを含む食品には、ヒザ関節痛の炎症を抑えることでその痛みをやわらげ、ヒザを曲げる角度を改善する効果があることが示唆されたといえます。
整形外科的な身体機能の判定基準となるJOA*1スコアを4週間ごとに測定しました。その結果、被験食品群はプラセボ群と比較して、ヒザを曲げた時の角度「屈曲角度」のスコアが上昇しており、改善していることがわかりました。このことから、コラーゲンがヒザ関節の状態改善に寄与していると考えられます。
*1 JOAスコア:日本整形外科学会膝OA治療成績判定基準。日本整形外科学会が作成した変形性関節症治療の結果を計る評価方法。
医師が客観的に評価し、治療成績を判定。
痛みを数値化するVAS法*2を用いて、4週間ごとに痛みの程度を測定しました。プラセボ群と比較して、被験食品群においては「安静時」の数値が有意に低下しており、痛みの自覚症状が改善していることがわかりました。この結果は、コラーゲンがヒザ関節の痛みをやわらげることを示唆しています。
*2 VAS法:Visual Analogue Scale(視覚的評価スケール)法。被験者自身が痛みの程度を長さ100㎜の直線に印をつけて数値化する評価方法。
血液検査を実施し、コラーゲンペプチドの摂取前と摂取後(16週間後)に炎症状態を引き起こす原因因子である炎症性サイトカインIL-17A*3を測定しました。その結果、被験食品群においては、IL-17Aが摂取前より有意に低下していることが認められました。この結果は、コラーゲンがヒザ関節の炎症抑制に作用することを示しています。
*3 炎症性サイトカイン:免疫システムの細胞から分泌されるたんぱく質。生体内における様々な炎症症状を起こす原因因子。
IL-17A は炎症性サイトカインの合成・生成を誘導する。
出典:長岡功ら、グルコサミン研究 Vol.9, 2013