キューサイ株式会社(本社:福岡市中央区、代表取締役社長:佐伯 澄)は、スーパーフードとして知られるケールについて、ケール摂取による潜在的抗酸化力の上昇と血管の柔軟性向上の効果を確認しました。
【発表論文概要】
タイトル:Effects of Dietary Intake of Food Containing Kale (Brassica oleracea var. acephala) on Antioxidant Capacity in Humans – A Randomized, Placebo-controlled, Double-blind, Parallel-group Study –
「ケール摂取によるヒトにおける抗酸化能への効果~二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験~」
【掲載誌】
薬理と治療 2022年11月号
1.潜在的抗酸化力について
身体の健康維持のため、人間には「酸化状態を維持する」・「抗酸化状態を維持する」それぞれの働きが備わっており、そのバランスを整えることが重要であると考えられています。そのバランスを調整する働きのことを「潜在的抗酸化力」と呼び、老化の進行に大きく影響を与えるといわれている酸化ストレスへの対策にはこの働きを高める事がとても大切です。
2.酸化と血管について
酸化とは体内に侵入してきた細菌を殺菌するなど、健康を維持するためにも必要な機能です。しかし、食生活の乱れや喫煙などの生活習慣、ストレスなどの影響で「酸化」と「抗酸化」のバランスが崩れ、「酸化状態」が高まると正常な細胞まで攻撃、破壊されます。それが血管の細胞で起こると元々は柔軟性がある血管が次第に硬くなり、健康リスクにつながります。
3.ケールについて
ケール(Brassica oleracea var. acephala)は南ヨーロッパ原産のアブラナ科でキャベツやブロッコリーの原種にあたります。食物繊維、ビタミンC、カルシウム、葉酸、β-カロテン、そしてミネラルなどを多く含んでおり、近年では血糖値上昇抑制効果など様々な機能が報告されています。当社では2008年からケールの抗酸化活性とポリフェノールについて研究を開始し、ケールは一般的な野菜と比べ、抗酸化活性(ORAC値)も高いことを確認しました。
ケールは他の緑黄色野菜と比較してポリフェノールなどの機能性成分が多く含まれていることから、高い抗酸化活性による効能効果が期待されています。さらに体内における酸化は抗酸化より高まりやすい上、過剰な酸化は様々な疾病と関連性があることが報告されていることから、「酸化」と「抗酸化」のバランスを整えるためには、体内の抗酸化力を高めることは重要であることが考えられます。しかし、食物自体の抗酸化力の高さに関する報告はあるものの、それらを摂取することにより、体内の抗酸化力への影響を検証した研究は少ないため、ケール摂取による抗酸化作用について検証することを目的に本臨床試験を実施しました。
20~64歳の男女で潜在的抗酸化力が低めの方を中心とし血流量が少なめの方90名を対象としました。3つのグループにそれぞれプラセボ※またはケール粉末7g、14 gを水に溶かしたものを、12週間摂取してもらい、潜在的抗酸化力、血流量、血中過酸化脂質、および血管硬化度について調査しました。
今回の研究において、潜在的抗酸化力が低めの人がケールを継続的に摂取することで潜在的抗酸化力の向上と、抗酸化力改善による血管柔軟性の向上効果が明らかになりました。
<本研究以外での当社のケールに関する研究実績>※学会発表28件、学術論文10件のうち一部抜粋
◆2008年 キューサイと山口県立大学が研究 「キューサイのケール粉末は血圧の上昇を抑制する」
https://corporate.kyusai.co.jp/development/publication/detail.php?p=798
◆2014年 生活習慣病に対するケール粉末の効果について学会発表
https://corporate.kyusai.co.jp/development/publication/detail.php?p=646
◆2020年 ケール粉末による高めの血圧の低下効果を確認
https://corporate.kyusai.co.jp/development/publication/detail.php?p=3341
キューサイは、年齢を重ねることを前向きに捉えられる世の中の実現に向けて
ヘルスケア・スキンケア商品やサービス、企業活動で、お客さまの“人生初”を応援します。