キューサイ株式会社(社長:長谷川 常雄、本社:福岡市)は、高崎健康福祉大学(江口 文陽 健康福祉学部健康栄養学科教授)と、緑黄色野菜ケールを培地にしたヒメマツタケ(アガリクス)抽出物の生活習慣病に対する作用を検討しました。
モデル動物を用いて検討した結果、生活習慣病とされる高脂血症、高血圧に対する疾病の予防および治療の効果があることを確認したのでお知らせします。
この研究結果は、本日9月1日「日本きのこ学会 第8回大会」(奈良市・近畿大学農学部奈良キャンパス)で、「各種生活習慣病に対するヒメマツタケ抽出物投与の効果」として発表しました。
弊社は、青汁の原料である無農薬ケールを培地にヒメマツタケ(学名:アガリクス・ブラゼイ・ムリル)を培養し、ケールとヒメマツタケの菌糸体からなる培養物(以下、ヒメマツタケ培養物と略記)を開発しました。このヒメマツタケ培養物の抽出液は「キューサイアガリクス」として今春から発売、当社独自の培養方法は製法特許(第3229285号)を取得しています。本研究ではモデル動物を用いて、ヒメマツタケ培養物の生活習慣病に分類される疾患(1.高脂血症、2.高血圧)に対する作用を検討。被検試料には、ヒメマツタケ培養物を粉砕し乾燥させ、その乾燥品を熱水抽出した液を使用しました。
肥満モデルラット(雄、5週齢)を1週間予備飼育。投与群には、抽出液を1日0.5ml/kg(ヒト用量をラットの体重に換算)の用量で6~16週齢の期間、自由摂取させました。
下記グラフ①のとおり、16週齢の測定値において、投与群は非投与群と比べ中性脂肪が顕著に減少しました。
また、総コレステロール、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、β-リポタンパク、遊離脂肪酸などの血清脂質に関する検査値も有意な改善効果がみられました。
高血圧自然発症ラット(雄、6週齢) を1週間予備飼育。その後、8%塩化ナトリウムを飼料に混ぜて飼育しました。実験開始前に収縮期血圧(最高血圧)の平均値がほぼ等しくなるよう3つにグループ分け。3つの投与群には、抽出液を1日それぞれ0.5ml/kg、1.0ml/kg、1.5ml/kg(いずれもヒト用量をラットの体重に換算)の用量で14~24 週齢の期間、自由摂取させました。血圧は1週間おきに測定しました。
投与開始2週目(下記グラフ②血圧変動の16週齢)以降、非投与群と比較して血圧上昇は顕著に抑制されました。また、0.5ml/kg 投与に比べ、1.5ml/kg 投与のほうが明らかに抑制されています。
「本研究により、ヒメマツタケ培養物の抽出液が高脂血症、高血圧症に対する疾患の予防および治療の効果をもつことが示唆された。 健康食品などはその効果がヒト飲用による体験談などで評価されることがあるが、この研究では、ヒトで観察された効果をもとに実験科学的に「ヒトの高脂血症と高血圧症に類似したモデル動物」を使用して評価したものである。この抽出液は、安全性と成分の安定性に優れた製品であり、総合的に高く評価できる製品であることを確認した。」