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キューサイと山口県立大学が研究ケール青汁摂取が受動喫煙に伴う免疫異常を抑制する傾向を確認

キューサイ株式会社(社長:長谷川 常雄、本社:福岡市)は、山口県立大学大学院(森口 覚 生活科学部栄養学科教授)と、緑黄色野菜ケールを原料とする青汁の免疫機能調節作用1)を検討しました。その結果、ケール青汁投与が受動喫煙に伴う免疫異常2)を抑制する傾向を確認しました。この研究結果は、5月20日「第60回日本栄養・食糧学会大会(静岡県、静岡県立大学)」で、「受動喫煙に伴う免疫異常に対する青汁添加食投与の影響」として発表しました。

研究の目的

当社と山口県立大学は、ヒト及び動物実験において、ケール青汁投与により細胞性免疫能 3)が亢進することを確認し、発表しています。近年、受動喫煙により肺がんや動脈硬化、さらに低出生体重児の出現などのリスクが高まることが知られており、平成15年5月より施行された健康増進法により公共施設などでの分煙が実施されています。本研究では、受動喫煙に伴う免疫異常に対する青汁投与の影響について検討しました。

研究の方法

ラットを、①コントロール食群、②コントロール食受動喫煙群、③青汁添加食群および④青汁添加食受動喫煙群の4群に分け、自由摂取のもとで3週間飼育後、受動喫煙群に副流煙暴露4)を5週間行いました。暴露程度は血中コチニン濃度5)より確認し、免疫能として肺胞マクロファージ6)(数および貪食能7))、脾臓リンパ球の増殖反応(幼若化能)を測定しました。また、受動喫煙に伴う過酸化脂質8)の指標として血清ヘキサノイルリジン濃度9)を測定しました。

研究の結果

暴露程度の指標である血清コチニン濃度は受動喫煙群で有意に増加しましたが、青汁添加食群ではコントロール食群と比較して有意に血清コチニン濃度が低いことを確認しました。肺胞マクロファージ数は受動喫煙においてコントロール食群では増加する傾向を認めましたが、青汁添加食群ではその傾向が見られませんでした。免疫機能の指標となる肺胞マクロファージの特異的貪食能は、コントロール食群で受動喫煙に伴い異常な亢進が見られましたが、青汁添加食群では変化がありませんでした。(下記グラフ「ラットあたりの特異的貪食能」参照)

脾臓リンパ球の増殖反応(幼若化能)は受動喫煙に伴いコントロール食群と比較して青汁添加食群で有意に低下しました。
細胞に障害を引き起こしたり、動脈硬化など病気のもととなる血清過酸化脂質の指標であるヘキサノイルリジンの血中濃度は、受動喫煙に伴いコントロール食群では増加する傾向を認めましたが、青汁添加食群では変化は見られませんでした。(下記グラフ「血清ヘキサノイルリジン濃度」参照)

研究のまとめ

以上のことより、ケール青汁摂取が受動喫煙に伴う免疫異常を抑制することが確認されました。

山口県立大学 森口 覚 教授のコメント

今回の研究では、受動喫煙に伴う免疫異常として、肺に存在するマクロファージの数的増加と機能的亢進を認め、その異常が青汁摂取により抑制されることを認めたものである。日常の食生活を通じて、受動喫煙による被害を少しでも軽減できる可能性が示唆されたものであり、今後、さらにこの機序について検討する予定である。

【用語解説】
1)免疫機能調節作用
免疫機能の異常を調節する(正常に戻す)作用。
2)免疫異常
外部からの刺激によって免疫が通常と異なる状態。
3)細胞性免疫能
生体内のリンパ球のうち、T 細胞が主となって起こる免疫反応のこと。ウイルス、細菌に対する防御反応などがこれにあたる。
4)副流煙暴露
タバコの先から立ち上る煙(副流煙)を充満させ、受動喫煙の状態を再現すること。
5)コチニン
ニコチンの代謝産物。体内に取り込まれたニコチン量の指標とな
る。
6)マクロファージ
白血球の一つで生体内の免疫システムの一部を担う。
7)貪食能 (どんしょくのう)
マクロファージが体内に侵入した異物を取り込む働き。
8)過酸化脂質
生体膜や細胞膜のリン脂質にある不飽和脂肪酸が活性酸素と結びつき、酸化されたもの。細胞に障害を引き起こしたり、炎症、動脈硬化などの病気の原因となる。
9)ヘキサノイルリジン
脂質の酸化工程でできる生成物。脂質過酸化の指標となる。

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