キューサイ株式会社(本社:福岡市中央区、社長:藤野 孝、https://corporate.kyusai.co.jp/)は、ケールの健康効果の検証として、空腹時の血中中性脂肪に対する効果を検証し、ケールの摂取が血中中性脂肪を低減させることを確認しました。
【発表論文概要】
タイトル:
Hypotriglyceridemic Effect of Kale-A Randomized, Double-blind, Parallel-group,Placebo-controlled Study-
「ケールの血中中性脂肪低減効果 –無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-」
掲載誌 :
薬理と治療 2016 年 9 月号
ケール(Brassica oleracea var. acephala)は南ヨーロッパ原産のアブラナ科でキャベツやブロッコリーの原種にあたり、β-カロテン、ビタミン C、カルシウム、ルテイン、葉酸、そしてミネラルを豊富に含んでおり栄養価の高い緑黄色野菜です。海外では葉物野菜として広く消費されていますが、日本では青汁などの健康食品として野菜不足解消や健康維持を目的に利用されており、生活習慣病等に関する研究も行われています。
ケールの生活習慣病に対する効果について、すでに当社はケールに食後血糖値の上昇抑制作用があることを臨床試験で確認しており(Biomedical Reports., 5(5), 553-558, 2016)、今回はさらに血糖値と関連性のある血中中性脂肪についてケールが及ぼす効果を確認しました。
血中中性脂肪値は、食事に含まれる脂質の量などに影響されるほか、エネルギーに変換されなかった糖が脂肪となるといった体内での合成により変動します。食事に含まれる脂質の量などに影響されやすいですが、空腹時においても値が高い場合や低すぎる場合は、体内での脂質代謝(合成と分解のバランス)が異常になっていることが多く、その状態が続くと動脈硬化症や心臓や脳血管に障害を起こすリスクなどがあるといわれています。高めの血中中性脂肪値を改善するためには、日頃の食事だけではなく、体内の脂質代謝を正常にすることが必要であり、運動不足や肥満を解消することが重要とされています。
ケール粉末の摂取が空腹時の血中中性脂肪に与える影響及びその有効量を検討し、空腹時の血中中性脂肪低減効果を検証することを目的としました。
20~64 歳の男女で血中中性脂肪値が正常高値域からやや高めの方(空腹時の血中中性脂肪値:120-199 mg/dL)、71 名を対象としました。プラセボ※またはケール粉末[低用量:ケール粉末(7 g)、高用量:ケール粉末(14 g)]を 100-150 mL の水に溶かし、1 日 2 回、12 週間摂取し、血中中性脂肪の値を測定しました。
■ケール粉末摂取後の血中中性脂肪値の経時的変化
血中中性脂肪値がやや高めの方(150-199 mg/dL)において、ケール粉末[高用量:ケール粉末(14 g)、低用量:ケール粉末(7 g)]を摂取した方の血中中性脂肪値は、プラセボ※を摂取した方と比較して摂取8週目で有意に低減しました。
ケール粉末の摂取は、血中中性脂肪値がやや高めの方の血中中性脂肪値を低減させることがわかり、その有効量は 7 g 以上であることが確認されました。